Node.js FoundationとNode.jsについて
Node.js Foundation
JoyentのNode.js開発停滞を見直すためにLinux Foundation以下に作られた財団。後にio.jsも合流しました。
オープンガバナンスモデルを採用しています。
www.slideshare.net
CIのサーバのホスティングやCollaboratorsのsummitやcode & learnなどの旅費などの管理(出費)をしています。
Node.js foundationは後援している企業によって支えられています。 Members - Node Foundation
相関図
委員会
TSC(Technical Steering Comittee)
Node.jsのCore, それに関連のあるワーキンググループのすべての統括をします。
https://github.com/nodejs/TSC#tsc-scope
CTC(Core Technical Committee)
Node.jsのCoreの技術委員会です。
Coreというのはnodejs/nodeを指します。
CTCでは毎週MTGを行っており、そこでPRやIssueで相談があるものは話されます。(ctc-reviewが必要になった場合)
また、CTCのメンバーは投票に偏りが出る可能性があるため、同じ雇用先のメンバーがCTC全体の1/3いてはいけません。
Core Working Groups
Technical Working Groupsの中でもCoreなのが以下になります。
これらはTop-Level Working Groupsに所属します。
CTCによって作成されるワーキンググループです。
CoreのNodeとは独立して扱われます。(Coreのコミットを権限持っていても以下のWGに対して必ずしも権限を持っているわけではない)
- Website
- Node.js のサイトのメンテナンスを行います
- Streams
- Node.jsのStreams APIのサポート及び改善を行います
- Build
- Diagnostics
- ツールベンダーに対して信頼性の高い診断ツールを提供します
- inspectorプロトコルやAsync Hooks
- i18n
- 翻訳以上のことを行います
- 各国のリポジトリがnodejs以下に存在しそれのことを指します
- 日本: GitHub - nodejs/nodejs-ja: Node.js 日本語ローカリゼーション
- しかし、今Node.jsのサイトの翻訳はWebsite working groupの管轄リポジトリ以下にあるのであまりi18nに登録されているリポジトリは活発ではないかも
- Intlとは異なります
- Evangelism
- Node.jsの開発状況等を世界、コミュニティに知らせることを行います
- 後ほど、CommCommへ移動されます(まだ正式にはこちらで書かれているのでここにも書きます)
- github.com
- Docker
- 公式のDockerイメージを管理します
- Addon API
- NANのようなネイティブアドオンを作る作者のための抽象レイヤーのプロジェクトのメンテナンスを行います
- Benchmarking
- Node.jsのベンチマークの管理をします
- Post-mortem
- Intl
また、Core Working Groupではないが他のworking group(e.g. promise, API, etc...)、及びteam(HTTP, HTTP/2, Smoke Testing, etc..)などがあります。
https://github.com/nodejs/TSC#dependent-projects
https://github.com/nodejs/TSC#adjacent-projects
CommComm(Community Committee)
Node.jsの全体のコミュニティに関して統括する委員会です。
最近できたばかりなので今後発展していくと思います。
もともと、Top-Level Working GroupsのInclusivityがCommCommになった感じです。
なので、Top-Level Working Groupsは現在、Technical Working Groupsしか存在しません。
Working Groups
Teams
-
- Node.jsに関する記事を管理します
- 記事を提出し、それがレビューされNode.js Foundation Mediumに置くことが可能となります
- medium.com
-
- コミュニティのイベント主催者同士が協力しあう場所
-
- 教育も今はTSCの下ですが、CommCommへ移動する流れです
- github.com
今後のTSCからCommCommへの移行リストは以下のとおりです。 github.com
会議
それぞれのワーキンググループでは会議が開かれます。
この会議を見ることにより、最新のNode.jsの情報を得ることができます。
カレンダー
Node.js (obsolete)
久しぶりに見たけど、5月ぐらいから記録されてないですね。。
CoreのMTGノート
https://github.com/nodejs/CTC/tree/master/meetings
各MTGの動画リスト
Summit
Node.js Collaborator Summitと呼ばれる、Node.jsのコラボレータが集まる定期的なsummitがあります。
前回の開催は5/4, 5で行われました。
ここではNode.jsの問題点、改善点などのコアな話を現地で話し合います。
Node
NodeはCore Collaborators(CTCを含む)により管理されます。
LTS(Long Term Support)
LTS Working Groupにより管理されます。
Node.jsの長期サポートを行い、偶数バージョンがそれに当たります。
毎年4月(今年の8はv8のバージョン周りで5月)にリリースされる偶数バージョンが対象で毎年10月から開始されます。
この時の10月に奇数バージョンが切られそれがmaster(current)になります。
LTSは18ヶ月サポートされ、その後にメンテナンスが12ヶ月あります。
currentに入ったバグ修正や脆弱性修正がこのサポートされているバージョンへバックポートされる仕組みです。
LTSは今のところ、v4, v6, v8(これは10月から)です。
Latestはcurrentになります。(masterブランチのバージョン)
担当リポジトリ
すべてNodeのリポジトリにIssueやRFCを投げるのではなく、用途にあったリポジトリに投げる必要があります。
Node.jsに具体的な機能追加がある場合
将来的な機能追加の提案
ヘルプ
本体のバグ、修正はCoreへ提出してください。
CI
Nodeではjenkinsを使って様々なプラットフォームのテストをしています。
arm-fanned, aix, arm, freebsd, linux, linux-fips, linux-one, osx, ppc-linux, smartos, windows-fanned上でテストが行われます。
また、本体コードはもちろんですが、ドキュメントのlintもあります。
GitHub - nodejs/build: Better build and test infra for Node.
PR
PRのマージには最低48時間、休日は72時間の時間を必要とします。
これはレビュワーが世界中にいるため時間がレビューされる前にマージされるのを防ぐためです。
またマージには2人以上の承認が必要です。
貢献する
読むべきもの
CoC(Code of Conduct)
行動規範です。 これは必ず守るべきものです。
TSC/CODE_OF_CONDUCT.md at master · nodejs/TSC · GitHub
Contributing to Node
PRを提出するまでの手順が書かれています。
https://github.com/nodejs/node/blob/master/CONTRIBUTING.md
Good First Contribution
簡単に修正できるIssueに関しては、この good first contribution
というラベルが付けられているのでそれを拾って作業を始めるのは最初の一歩としていいと思います。
Issues · nodejs/node · GitHub
他には、実装してないけど先にコメントアウトしてテストだけ書いてくれてたりするのでそれを見て実装するのもありだと思います。
Documents
Nodeリポジトリにはapiのドキュメントがあります。
ドキュメントは大切ですが、なかなか整備が追いつかない部分(外部リンク切れ等)があります。
サポート
もし、「やってみたいけどよくわからない」や「これ大丈夫なの?」などがあればNode.js日本ユーザーグループのslackにある#node-contributionで気軽に聞いてください。
Japan Node.js Association
さいごに
Node.jsが今どのように管理されていて、どういう活動をしているかというのを多くの人に知ってもらえれば嬉しいです。
また、少しでも興味を持っていただけたら嬉しいと思います。